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南川泰三の日記です


by minamikawa-taizo
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ムツゴロウさんの「犬がよろこぶ しつけの学校」

 学研から「ムツゴロウ動物王国 犬がよろこぶ しつけの学校」という本が送られてきた。
長い間、何故ムツゴロウさんは犬のしつけの本を出さないのだろうと思っていたので待望の本だ。
 犬のしつけに関する本はうんざりするほど出版されているが、どれも似たり寄ったりで僕らがそれが間違っていようとも常識的に知ったつもりになっている範疇を越えていない。
しかし、このムツゴロウさんの犬のしつけ学校はまさに目からウロコの本だ。
 たとえば
「犬は家族の中でもっとも力のある人物をボスと認識する 」
「犬を飼うときはまず犬より人間の方が上位にあることを教えなければならない。そのために犬より先に人間が食べるべしとか、子犬を人間の目線より上に抱き上げると自分の 方が偉いと思ってしまうからいけない」
 などといういわゆるヒエラルキー理論がまかり通っているが、ムツゴロウさんはこれを真っ向から否定している。
『家族が犬にとっては群れの仲間、犬がボス(aボス)になっては家庭の崩壊、飼い主としての恥とばかりに、人間がボス(aボス)になるためのトレーニングです。オスワリもマテも、ひたすら人間の権威を教え込むために行われました。
 断言します。これは間違いです。犬は利口な生き物です。人間家族を群れの仲間とは考えていません。犬はヒエラルキー社会を作りません
 犬は、たとえ群れになっても、オオカミのような強固なヒエラルキー社会は作りません。
 「ボス(aボス)」という言葉は、ヒエラルキー社会の中で語られるもので、犬の群れの上下関係とは異質のものです。
 王国ではいくつもの犬の集団を長い間見続けてきています。確かに強いボス(aボス)的な存在は出現します。その犬が老い、耳が遠くなり、目がかすんでくると、オオカミ社会ほどではありませんが、若い連中にいじめられ、時には下克上が起きることもあります。
 これは群れを元気な仲間で構成しようという力学、憲法です。しかし、人と犬の関係にあてはまるでしょうか?
 もし、人間家族を群れの仲間と考えているなら、おじいちゃんが病気になったとき、それまで楽しく散歩をしていた犬も、おじいちゃんに向かって吠え、追い出さなければいけません。群れのやっかい者になったのですから。
 しかし、どこにそんな犬がいるでしょうか。おじいちゃんの愛犬は、杖をついて歩くその横を、心配そうな瞳でペースを合わせ、見守りながら歩くでしょう。これが犬です』(犬のしつけ学校より)
なるほど。そう言われればもっともだと思った。我が家にも動物王国から戴いた愛犬、ダルメシアンのマメばあさんがいて、室内で家族と一緒に生活しているが、もっとも甘やかせているカミさんの言うことをきかないなんてことはないし、7歳の娘にも従順だ。
 人間と一緒に暮らしていても、犬は犬。しっかりと自分のポジションを確保している。
 外で他の犬に出会っても吠えないし、マテと言えば待つし、座れと言えばちゃんと座る。特にしつけや教育をほどこしたことはない。
 いけないことをした時は娘に怒るようにマメにも怒る。
 自分でドアを開けてリビングに入って来られるのに、食事中はリビングの外と決めて中に入れないと、入れてもらうまでフンフン鼻を鳴らしているが絶対に入って来ない。
 「犬のしつけ学校」ではこの他、犬に心拍計をつけてどういう時に犬の心拍数が上がるかを様々なシチュエーションでテストしており、犬を内面から見ることで犬の気持ちを知ろうとしている。
 たとえば普段与えているドッグフードにチキンの唐揚を一つ足すだけで、犬の心拍数が上がるのには驚いた。
 犬に人間の食べ物を与えるなと教える専門家もいるが、それは量の問題で、むしろほんの少し食事の余り物を与えてやるだけで、犬は幸せな気持ちになれるのだ。犬を飼っている人には是非、この本をお薦めしたい。
 僕は我が家の鬼嫁に言った。
「犬でもほんの少し人間の食べ物をもらうだけで幸せな気持ちになる。僕もたまには焼肉 とかステーキを与えられると幸せな気持ちになれるのに」
鬼嫁は言った。
「泰さんは犬じゃないでしょ」
鬼嫁の言うことは常に正しい。BUT…
by minamikawa-taizo | 2006-01-16 23:12