人気ブログランキング | 話題のタグを見る

南川泰三の日記です


by minamikawa-taizo
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

爺ちゃんパパの授業参観

 小学校二年生になった娘、マヤの授業参観に行った。カミさんはお母さん仲間と一緒にいくので「泰さんは後から勝手にきて」という。
そこで後から勝手に行った。校門を入ろうとしたら腕章をつけた人に呼び止められた。校内に入るにはIDカードが必要で、IDカードは一家族に一枚配布してあるという。IDカードのない人は職員室で臨時のIDカードをもらって欲しいという。
 さすが近頃の御時世だ。娘の学校に入るのも容易ではない。ともかく職員室に行って、
「2年2組の南川マヤの家の者ですが」
と言ったら
「ああ、お孫さんの参観ですか」
と来た。ほっといてくれ! 余計なお世話だ。
「僕は父親です! 」
と叫ぼうと思ったが大人げないから、
「はあ、どうもお世話になります」
と卑屈な笑いを浮かべながら名簿にサインをして、IDカードを受け取り娘のクラスへ。 
 授業は始まっていた。マヤの担任は新任の先生で、まだ20代の女性だ。
 マヤの小学校は二年生は3クラスで1クラス28名前後。川崎市では1クラス40人という決まりがあるらしく、従って本来は二年生2クラスになるはずなのだが、何故か3クラスでマヤのクラスはさらに少なく25名と恵まれている。
 僕が小学校時代は1クラス50人で11クラスあり、一時、二部授業だったから、まざまざと少子化の時代を実感した。
ところが25名と言うことは2人ずつのペアで横4列、縦3列で配置すると、一人余ってくる。運の悪いことにマヤは後方の離れ島に当たってしまった。
「一人だけの席は寂しくてつまんない」
と席替えになってから毎日のように不満を口にする。
「まあ、そういうこともあるさ。お前みたいに煩いのは一人の席でいいじゃないの」
と愚痴を言う度に軽くいなしてきたのだが、実際に授業参観に行ってみて、マヤの不満がよく分かった。
 授業中、先生の目線が一度もマヤに行かないのだ。この日は時計の時間を読むという授業だったのだが、途中、先生が生徒の席を回って歩く時もマヤの手前でUターンしてしまうのだ。
 マヤは親が見に来ているのを意識して、最初の内は先生の質問に背伸びをしてまで手を挙げていたが、先生が全く気づいてくれないことが分かると途中から諦めて、手を挙げるのをやめてしまった。
 授業が終わった後、僕は先生に子供が一人だけ離れた席になっているのは仕方がないが、その分、先生の方で目を配って欲しいとお願いした。すると若い先生は
「すみません。席を何とかしなければと思っていたのですが」
という。そんなことを言っているわけじゃない。生徒数の関係で席がはみ出すこともあるだろうが、その分、教師の方が目を配って欲しいとお願いしているのだ。
 幸いにしてどこよりも少ない25名じゃないか。45分間の授業で一度も一人席に目がいかないというのは教師としての素質さえ疑ってしまう。
 昨夜、マヤは作文を書いた。なかなか良くできたのでカミさんが先生に見せればと言ったら「恥ずかしいからイヤだ」という。彼女はまだ新しい担任に慣れないでいる。二年生になってからおよそ二週間。担任はまだ25名の生徒の名前を覚え切れていないという。 ちなみに昨夜、マヤが書いた作文とは

「はるにっき」南川マヤさく
「はる、わたしは小学校に入学しました。べんきょうは、さいしょはかんたんでした。
 先生は、やさしく、くらすぜいいんいい人でした。それぞれにいいところがありました。 やさしいといえば、二年生も、ものすごくやさしかったです。二年生は、学校の中を、
 いろいろあんないしてくれました。手がみもいっばいくれました。みんな二年生のこと が大すきでした。にねんせいは、とてもりっぱでみんなのあこがれでした。さいしょあ ったときは、すこしどきどきした。わたしは、あんな二年生になりたいな。そして一年 のおわりごろからわたしは二年生になるじゆんびまんたんですごくはりきっていました。
 そして、いよいよ二年生になりました。わたしは、二年二くみになりました。
   一年生のみなさんへ
 このおはなしは、わたしが一年だったとき、おもったことを、かいたものです。
 小さい子どもに小学校がどんなところかどんなにたのしいかを、おしえたくてかきました。ぜひよんでみてください。きっと小学校のたのしさがわかるとおもいます。

泰三のブログのフロク「悪魔のひとこと事典」
「いい教師とは 子供の目を見て教える人」
by minamikawa-taizo | 2006-04-15 00:50