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南川泰三の日記です


by minamikawa-taizo
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ナメクジの歌 /

娘がナメクジを見つけて
「ギャー!」
とものすごい叫び声をあげた。テッシュを持ったお助けマンが登場、娘を震え上がらせたナメクジをテッシュに包み込みゴミ箱へ。娘は
「泰さん、塩をぶっかけて!塩を!」
と叫んでいるが、お助けマンは娘を脅かした罪ぐらいでナメクジを塩漬けにする気にはなれず、ゴミとともに生き残れる可能性を与えることにした。
 そのあと、娘とナメクジが何故、そんなに気持ち悪いのかという議論になった。親戚であるカタツムリは気持ち悪くないと言う。何故、カタツムリは良くてナメクジは駄目なのか?カタツムリには殻がついているからいいんだと言う。
 お助けマンはしつこい。何故、殻がついていないと気持ち悪いのかと追い打ちをかける。
「だって、ヌメヌメしているんだもん」
と娘は答える。そう、しつこいお助けマンの次の質問は
「何故、ヌメヌメしていると気持ちわるいのか?」
と言うことになる。
「だって、骨がないし、動いたあとベットリしているし…」
ここから娘が気持ち悪いと思うものを聞き出した。普段、何かと言えば「キモイ」という僕も含めて…
「俺はひょっとすると娘にとってナメクジか」
という心配もちょっとある。娘があげた気持ち悪いものは、ゴキブリ、蝶蝶の触覚、ゲジゲジ、ムカデ、ウジ虫etc、蛇やトカゲ、ミミズの類は気持ち悪くないと言う。幸いお助けマンの名前はあがらなかった(ホッ)
 そもそもナメクジとは陸に生息する巻き貝の殻が退化したもので、カタツムリもその一種である。つまりフランス料理に登場するエスカルゴも同じ仲間。ということはナメクジも食べることが出来るが、毒を含んでいるので食用には適さない。
 ナメクジは塩で体内の水分を失い死滅するが、これは浸透圧によるもので、砂糖でも小麦粉でも同じ効果があるんだそうだ。
 塩で溶けたナメクジに水をかけると一時は復活するが、結局は死んでしまう。実にはかない生き物だ。娘はおそらくこのほとんど水分で占められたヌメヌメした生き物に生理的な嫌悪感を抱いているらしい。
 お助けマンは唯一、ネズミが苦手である。これは幼少の頃、田舎の親戚の家に泊まった時、布団の中で何かカリカリ音がするので、布団をめくったら猫が捕らえたネズミを囓っていた。僕を見るとネズミの尻尾をくわえて僕に食べろといわんばかりに顔に近づけてきたのだ。ネズミの尻尾はまだピクピクと動いていた。
 以来、ネズミ、特にネズミの尻尾を見ると全身が硬直してしまうぐらい恐い。娘がナメクジを怖がるのは、そういう原体験があるとは思えない。
 ナメクジといいゲジゲジといい、蝶蝶の触角といい、得体の知れないもの、不気味な動きをするものへの恐怖なのかも知れない。
「もしも、遺伝子操作でナメクジ人間が出来たらどう?」
意地悪なお助けマンが娘に問うた。
「いやだぁ!気持ち悪い!」
「何故、気持ち悪いのか?身体がナメクジだが人間なんだぞ」
この会話から、人間って何なんだという話になった。娘は普通の人間と違うから気持ち悪いという。
「普通って何なんだ?普通って?手や足がない人は普通じゃないのか?色が違う黒人は普通じゃないのか?」
かなり危ない議論になってしまった。
「手や足がなくても人間だし、黒人はわたし好きよ」
と言う。ようはナメクジ人間は彼女の人間の許容範囲を超えているようだ。お助けマンはたまたま殻を持たずに存在しているために、嫌われものになっているナメクジがかわいそうでならない。
♪でんでん むしむし カタツムリ
カタツムリは歌にまでなっているのに、なめくじの歌は何故ないのか?
 
by minamikawa-taizo | 2010-10-12 18:07