人気ブログランキング | 話題のタグを見る

南川泰三の日記です


by minamikawa-taizo
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31

「 ペンギン・カフェ」初めてのバレー鑑賞 /

新国立劇場でバレー「ペンギン・カフェ」を鑑賞した。本格的なバレーを観るのは始めてだ。「火の鳥」と「シンフォニー・イン・C」とか言うのと3部作になっている。
 「とか言うのと」と書かざるを得ないのは全く無知で、「火の鳥」バレーの名作だと言われても
「へえ、そうなのか」
と思うレベルで、メインの「ペンギン・カフェ」というタイトルに惹かれたが、もちろんそれがどんなバレーなのか皆目分からない。
 真にお恥ずかしながら、ご招待の通知を頂いた時に
「ほう、バレーか…バレーねえ…」
と万難を排して出かける気にはなれなかったが、観劇料を見ると何と2万円ほどの席ではないか!普段、2000円とか3000円とかの芝居でさえも躊躇しがちなのに、こんな高額なバレーを、しかも、生まれて初めて観るチャンスを逃すことはない。
 とバレーファンに軽蔑されそうな安易な動機で、結局、万難を排しておっかなびっくりスーツなんぞを着て、新国立劇場に足を運んだ。
 生まれて初めて観るバレー、高額な席…およそバレーの観客には相応しくない不純な動機で、懸賞で高級ホテルの食事券が当たった長屋の八つあんと言った心境だ。
 会場は4階席まであるが一階席がほぼ満席という状況で、これが盛況と言えるのかどうかも分からない。まず、最初に思ったのは観客の違いだ。僕が普段、観るライブやお芝居の客層と全く違う。皆さん何となく上品で、知的で、お金持ちと言った感じだ。
 普段、見る芝居の観客が下品で、馬鹿で、貧乏人と言うことではない。チケットを見ると20列の29とある。何と一階席のど真ん中ではないか!少々、見栄も手伝ってバレーを見慣れた客のように落ち着いて着席し、静かに豪華なパンフレットに目を通すふりをする。解説を読むふりをするが字が細かくてほとんど読み切れない。
 舞台を見ると一段低くなったオーケストラ席の中央にはげ頭だけが浮かんでいる。どうやら指揮者らしい。
 厳かに演奏が始まり、幕が上がるがバレリーナはなかなか現れない。深い森の中を表す舞台装置。どういう形でバレリーナが登場するのか、期待が高まる。
 突然、音楽が転調して、森の妖精みたいなのが踊りながら舞台を横断する。拍手が巻き起こる。
 こうして第一部の「火の鳥」が始まった。次々に展開される華麗なバレー、妖精みたいなのが舞い、そこに王子様みたいなのが現れ、最後は盛大な結婚式で終わる。、バレーと言えば「白鳥の湖」のイメージしかない僕はこれがいい出来なのかどうかも分からない。
 近視の僕には出演者の顔が見えず、美しいパノラマを観ているようだったが、物語の展開がよく分からず、延々、同じようなバレーが続くので、強烈な睡魔に襲われ、眠気と闘うのに必死だった。
 25分もある休憩時間にパンフレットを見てはじめて分かった。どうやらバレーと言うのはあらかじめ出し物の内容を知っているか、事前にパンフレットを見てあらすじを理解しておくと、舞台が数段分かりやすくなるということだ。
どうやら「火の鳥」は不死の魔王の庭に火の鳥が現れ、その火の鳥が魔法の木からリンゴを取ろうとした瞬間、イワン王子が捕まえる。そして、いろいろあって、魔法をかけられた13人の王女を救いその中の一人とめでたく結ばれるというお話らしい。
「そんなの舞台を観ているだけじゃぜんぜんわかんねえよぉ」
と思ったが、バレーは物語を楽しむものではなく、その場面場面でのバレリーナたちの演技を鑑賞するものらしい。
 バレーの初心者である僕には第三部の「ペンギン・カフェ」が分かりやすく楽しめた。事前にパンフを読んでいたこともあるが、絶滅したグレートアークという種類のペンギンが主人公で、特に物語はなく、ユタのオオツノヒツジやテキサスのカンガルーネズミなどの絶滅の危機にある動物たちが、次々に現れて、それぞれの動物の動きを取り入れたユーモラスで、時に哀切感あふれるバレーを展開する。その動物たちの象徴するように最早、絶滅してしまったグレートアークペンギンが要所要所に登場する。
 割れるような拍手で目が覚めた。どうやらこれは面白いと思って観ていた「ペンギン・カフェ」も途中で眠ってしまったらしい。
 あれだけの舞台を演じるにはおそらく相当厳しい稽古を重ねたろうに、また一人前のバレリーナになるために幼少の頃から涙ぐましい稽古と努力をし、苛酷なバレー界で這い上がってきたのであろうことを思うと、眠るなんてとんでもないと反省したが、残念ながらこの伝統芸術には猫に小判だった。
by minamikawa-taizo | 2010-10-29 11:05