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南川泰三の日記です


by minamikawa-taizo
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脚本家の卵と真打ち誕生 /

本日、東京の表参道にあるNHK青山荘で第36回創作テレビドラマ大賞と創作ラジオドラマ大賞の贈賞式が行われた。第39回創作ラジオドラマ大賞は贈賞式が東北大震災で中止になったために今回の創作テレビドラマ大賞の贈賞式と合同で行われた。
 僕も審査員の一人として参加したが感慨深いものがあった。というのは僕が審査員としてかかわった頃の贈賞式は六本木の麻布警察の裏側にあった古びた日本脚本家連盟のライターズスクールの教室をお借りして簡素な贈賞式をやって、その後、近くの中華料理屋で受賞者のお祝いをしていた。
 その後、乃木坂の健保会館でパーティを兼ねてやるようになり、ようやく式典らしい形になったが数年前からNHK青山荘で行うようになり、式もパーティも伝統の脚本公募らしい立派な式典になった。
 入選者も女性が圧倒的に増えて、脚本家の世界が女性のパワーで占められつつあることがよく分かる。今年もテレビドラマ・ラジオドラマ合わせて受賞者6人中4人が女性だった。
テレビドラマ○大賞 最終特快」本河純子 ○佳作「迷えるウサギ」林 日里○佳作 「カブト虫の呼吸」泉政秀 
ラジオドラマ○大賞 該当作品なし○佳作「鳳仙花の咲く家に」 植澤紀子 ○佳作「魔法のことば」藤井 香織となっている。
 残念ながら僕は乾杯が終わると同時に飛び出した。もう一カ所、どうしても顔を出したいところがあったからだ。定例の四谷コタンで行われている落語会だ。
 永年、この四谷コタンで敬愛する奥山侊伸さんとともに落語をやってきた立川こしらさんがこのほどめでたく立川一門の真打ちに昇格し、この日、昇進後初めての四谷コタンだったからだ。
 真打ちになったからと言って突然、落語が変わるもんじゃないが、こころなしか今夜のこしら師匠の噺は一皮むけているような気がした。
 僕は正直に言って噺家、立川こしらは才能豊かで、破天荒な面白さを感じていたが、正統派の落語ではなかったので、永久にアウトローだと思っていた。
 ああいう噺家を真打ちにした談志師匠はさすがである。帰り際、こしら師匠が言った。
「南川先生、もう安い仕事は出来ませんからね」
こしららしい表現である。これまで彼に仕事を頼むときは5000円とか1万円で無理を聞いてくれた。従って僕は言い返した。
「分かったよ。これからは1万5000円でお願いするから」
そのうち立川こしら師匠は10万円のギャラでも無理になるかも知れない。今のうちだぞ。
こしら師匠を安く使うのは。
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by minamikawa-taizo | 2011-11-11 02:54