平塚版「娘殺し女油地獄」
2006年 05月 07日
「顔に歴史あり」という。これが同一人物なのかと思った。平塚市で19歳の娘を殺害したという容疑で逮捕された岡本千鶴子の顔と、彼女の中学生時代の写真だ。
人間も世の中も愛も母性もすべて凍り付いたような暗く殺伐とした表情と、明るく希望に満ちあふれ、頭のよさそうな可愛い中学生。50年近い年月が一人の女の顔を変えてしまった。
娘の利加香さんは若き日の千鶴子を思わせる明るく前向きな女性のようだ。そんな彼女が何故母親に殺されなければならなかったのか?
千鶴子は娘を溺愛していたという。その溺愛していた娘を昨年10月に絞殺し、遺体の傍には「死にたい 一緒にいさせて」と書かれたメモとともに自殺した義弟、山内峰弘の遺体があり、ロフトの3畳間には120センチの白骨遺体と、乳幼児のものと思われる二体の人骨。しかも120センチの白骨は22年前に行方不明になり新聞沙汰にもなった千鶴子の内縁の夫との間に出来た利加香さんの兄(当時6歳)であった可能性があるという。6畳+3畳のロフト付きのアパートに新旧5つの遺体。しかも、その遺体と数ヶ月間寝起きをともにしていたらしい三人の男女。
一体、そこで何が起こったのか?事実は小説より奇なり、どんなに優秀なサスペンス作家でもこういう設定を考えるのは不可能だ。このままサスペンスにしたら逆に嘘臭くなってしまう。
事実は常に想像を凌駕する。 青森の旅館で働く母親に育てられ、中学卒業後、北海道に集団就職したものの一年で舞い戻り、その後、奥尻島に嫁いで3児を出産。姑と合わずに離縁して、横浜あたりのキャバレーに勤め売れっ子ホステスになる。
店の常連客だった妻子ある蕎麦屋に惚れられ、奥さんを追い出して蕎麦屋の女将に。
金遣いが荒く、みるみる蕎麦屋の財産を食いつぶしてしまう。
その蕎麦屋との間に出来たのが失踪した兄と今回殺された娘だ。蕎麦屋は借金まみれになり無一文になったあげく病死。その夫の葬儀に数年ぶりに現れた千鶴子と死んだ夫の子供、山内峰弘さんが急接近。山内さんは母親が猛反対したにもかかわらず、家賃滞納でアパートを追い出された千鶴子母娘を犯行の行われた自分のアパートに同居させた。
その後、千鶴子はまともな仕事もせず、口先一つで年寄りや知人から金を騙し取っていたらしい。しかも、その金額たるや大きな所では3000万円にもなるらしいから驚く他ない。
このあたりが報道で知った一応の理解だが、これが江戸時代なら「毒婦」「悪女」のレッテルを貼られて市中引き回しになったことだろうが、ここまで凄いと僕は持ち前の好奇心を抑えきれなくなる。
あの漁業が唯一の収入源に等しい奥尻島で3人の子供を持つお母ちゃんと、その後の人生が結びつかない。流行っていた蕎麦屋の店も財産も食いつぶしたにも関わらず、その先妻の息子までもぞっこん惚れさせてしまった女。ひょっとしたら22年前に何らかの事情で当時6歳の息子を殺害し、死体と同居しながら娘の利加香さんを溺愛していたという千鶴子。その上、口先一つで大金を借りまくる才能があった女は只者ではない。
ある意味で魅力的と言っても過言ではない。食ったら死ぬかもしれない毒河豚のような女だが恐る恐る食ってみたい女だった気がする。(もちろん、逮捕された千鶴子の凄まじい形相は例の騒音おばさんを思わせる面構えでお呼びじゃないが)
かつて福田和子という女がいた。殺人班として追われ流転の放浪生活、時効寸前に逮捕された事件は御存知だろう。僕は彼女の殺人という行為はともかくも、彼女の存在に奇妙なカタルシスを感じている。
今回の岡本千鶴子にも生き地獄を体験してきた女への御しがたい魅力を禁じ得ない。何が彼女にあのような人生を選択させたのかという好奇心を止められない。
ひょっとしたら千鶴子は娘に惚れた愛人に嫉妬して殺したのではないか?
「私が愛した者は私を裏切る」
そんなフレーズが浮かんでくる。 あるいは娘の保険金目当て? あるいは? いずれにせよ、彼女の地獄への第一歩は22年前に始まったに違いない……
想像力が一人歩きしはじめた。僕の中で全く新たな千鶴子が勝手に動き始めた。
泰三のブログのフロク「悪魔のひとこと事典」
「悪女とは 大抵は男が作り、男が食われる存在」
人間も世の中も愛も母性もすべて凍り付いたような暗く殺伐とした表情と、明るく希望に満ちあふれ、頭のよさそうな可愛い中学生。50年近い年月が一人の女の顔を変えてしまった。
娘の利加香さんは若き日の千鶴子を思わせる明るく前向きな女性のようだ。そんな彼女が何故母親に殺されなければならなかったのか?
千鶴子は娘を溺愛していたという。その溺愛していた娘を昨年10月に絞殺し、遺体の傍には「死にたい 一緒にいさせて」と書かれたメモとともに自殺した義弟、山内峰弘の遺体があり、ロフトの3畳間には120センチの白骨遺体と、乳幼児のものと思われる二体の人骨。しかも120センチの白骨は22年前に行方不明になり新聞沙汰にもなった千鶴子の内縁の夫との間に出来た利加香さんの兄(当時6歳)であった可能性があるという。6畳+3畳のロフト付きのアパートに新旧5つの遺体。しかも、その遺体と数ヶ月間寝起きをともにしていたらしい三人の男女。
一体、そこで何が起こったのか?事実は小説より奇なり、どんなに優秀なサスペンス作家でもこういう設定を考えるのは不可能だ。このままサスペンスにしたら逆に嘘臭くなってしまう。
事実は常に想像を凌駕する。 青森の旅館で働く母親に育てられ、中学卒業後、北海道に集団就職したものの一年で舞い戻り、その後、奥尻島に嫁いで3児を出産。姑と合わずに離縁して、横浜あたりのキャバレーに勤め売れっ子ホステスになる。
店の常連客だった妻子ある蕎麦屋に惚れられ、奥さんを追い出して蕎麦屋の女将に。
金遣いが荒く、みるみる蕎麦屋の財産を食いつぶしてしまう。
その蕎麦屋との間に出来たのが失踪した兄と今回殺された娘だ。蕎麦屋は借金まみれになり無一文になったあげく病死。その夫の葬儀に数年ぶりに現れた千鶴子と死んだ夫の子供、山内峰弘さんが急接近。山内さんは母親が猛反対したにもかかわらず、家賃滞納でアパートを追い出された千鶴子母娘を犯行の行われた自分のアパートに同居させた。
その後、千鶴子はまともな仕事もせず、口先一つで年寄りや知人から金を騙し取っていたらしい。しかも、その金額たるや大きな所では3000万円にもなるらしいから驚く他ない。
このあたりが報道で知った一応の理解だが、これが江戸時代なら「毒婦」「悪女」のレッテルを貼られて市中引き回しになったことだろうが、ここまで凄いと僕は持ち前の好奇心を抑えきれなくなる。
あの漁業が唯一の収入源に等しい奥尻島で3人の子供を持つお母ちゃんと、その後の人生が結びつかない。流行っていた蕎麦屋の店も財産も食いつぶしたにも関わらず、その先妻の息子までもぞっこん惚れさせてしまった女。ひょっとしたら22年前に何らかの事情で当時6歳の息子を殺害し、死体と同居しながら娘の利加香さんを溺愛していたという千鶴子。その上、口先一つで大金を借りまくる才能があった女は只者ではない。
ある意味で魅力的と言っても過言ではない。食ったら死ぬかもしれない毒河豚のような女だが恐る恐る食ってみたい女だった気がする。(もちろん、逮捕された千鶴子の凄まじい形相は例の騒音おばさんを思わせる面構えでお呼びじゃないが)
かつて福田和子という女がいた。殺人班として追われ流転の放浪生活、時効寸前に逮捕された事件は御存知だろう。僕は彼女の殺人という行為はともかくも、彼女の存在に奇妙なカタルシスを感じている。
今回の岡本千鶴子にも生き地獄を体験してきた女への御しがたい魅力を禁じ得ない。何が彼女にあのような人生を選択させたのかという好奇心を止められない。
ひょっとしたら千鶴子は娘に惚れた愛人に嫉妬して殺したのではないか?
「私が愛した者は私を裏切る」
そんなフレーズが浮かんでくる。 あるいは娘の保険金目当て? あるいは? いずれにせよ、彼女の地獄への第一歩は22年前に始まったに違いない……
想像力が一人歩きしはじめた。僕の中で全く新たな千鶴子が勝手に動き始めた。
泰三のブログのフロク「悪魔のひとこと事典」
「悪女とは 大抵は男が作り、男が食われる存在」
by minamikawa-taizo
| 2006-05-07 03:13





