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南川泰三の日記です


by minamikawa-taizo
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高校野球はプロ野球より100倍おもしろい

 高校野球の決勝戦を観た。久しぶりにスポーツとしての野球の面白さを堪能した。これじゃプロ野球が詰まらないわけだ。
 泥だらけのユニホーム。したたり落ちる汗。全力疾走。フルスイング。笑顔。無念の表情。闘志を剥き出すピッチャーとクールなピッチャー。
 おそらく日常に戻れば糞生意気で、中には手に負えないやんちゃな高校生もいそうだ。プロの道を目指す越境入学者、学校の宣伝のために彼等を利用する経営者たち。あんなものどこが純真かとあざ笑う輩もいる。汗と涙の甲子園?ちゃんちゃらおかしいという輩もいる。
 だがそういう陰の部分はどんな世界でもある。たとえ裏で大人たちが高校野球を食い物にしていようと、羽目をはずして煙草や酒を飲む部員が出ようと、それを隠そうとする学校があろうと、暴力沙汰が起ころうとそんなことはどこの世界でもある。
 僕の知る限り高校野球の部員たちは他の一般の高校生に比べて特に悪くもなければ良くもない。みんなおそらく野球を覗けばありふれた高校生だ。
 しかし、そんな彼等があの素晴らしい感動のゲームを見せてくれたのだ。一人一人名前も知らない、学校も特に馴染みがない。にも関わらずトイレに行く余裕さえ与えぬ試合を展開してくれた。
 キビキビした動き、スピード感、驚異的な体力、そしてひたむきさ。何一つとってもプロ野球では絶対に観られない試合だ。
 5試合中4回登板して決勝戦15回を投げきって、最後の最後まで140キロ級のスピードで三振を取るピッチャーなんてプロの世界にはいない。
「ピッチャーの○○は中3日の登板ですからね。疲れが取れてませんね」
等というプロの解説者の声を聞いていると、むかっ腹が立つ。こちらは種類の違うプロだが三日や四日、ほとんど徹夜で仕事をすることもある。
 サッカーのワールドカップを堪能した後に、久しぶりにプロ野球を観たら間延びしていてリズム感も迫力もなく、最大の見せ場が審判の誤審によるトラブルだったのは情けない。 プロ野球はスポーツの世界のへぼ将棋だと思った。テンポがのろくプロ野球選手の運動量は他のスポーツに比べて圧倒的に少ない。べらぼうな年俸をもらって外野に立って、バッターボックスで3回バットを振って三振している選手を見ると「金返せ!」と言いたくなる。(別に金を貸してるわけじゃないけど……)
 あの真剣勝負で全力投球、全力疾走している少年たちを見ると、あのほとんど同年代の亀田何とかというプロボクサーのパホーマンスには反吐が出る。少年がまるでヤクザのようなハッタリをかますこちがプロらしいと思っているのなら大間違いだ。
 亀田なんとかも試合中は高校球児と同じ顔をしていた。黙って試合やってればもっと大きな感動を与えられたのに愚かな奴だ。おそらく亀田何とかを増長させている周りの大人が一番悪い。
 僕は野球もボクシングもサッカーもド素人だが、ド素人を無視してどんなスポーツも成り立たない。
 そういう意味で野球の醍醐味はホームランが出て、逆転があって、ため息がでるような見事なファインプレーがあって、時には息を呑む投手戦がある。それが野球の面白さだ。高校野球の決勝戦はそのすべてを見せてくれた。プロはあの高校生の爪の垢でも煎じて飲むべし!
by minamikawa-taizo | 2006-08-21 00:55